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【渉外】NTTデータと池田泉州銀行、保険料振込手続のペーパーレス化サービス

2023年12月4日(木)ニュースリリースより

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、銀行の保険商品販売における保険料振込をペーパーレス化するサービスを2023年11月20日より株式会社池田泉州銀行(以下、池田泉州銀行)に提供開始したとのこと

ニュースのポイント

  • 銀行による保険販売業務の保険料振込手続をペーパーレス化する
  • 統一仕様のデータ連携は、両業界で初の取り組み
  • 今後、保険販売業務のデジタル化を加速していく

これまでの課題は何?

渉外向けにタブレット端末やパソコンを用いた提案・申込手続の電子化サービスは、2017年より開始してはいる。しかし、出金伝票や振込依頼書など紙ベースの書類は残っており非効率、等の課題があった

保険販売の一部手続きでは紙ベースの手続が残っています。特に申込後の保険料振込手続には、紙伝票への手書きに伴う金額誤りや振込先誤り、高齢顧客の紙伝票記入負担、渉外員が提案後に帰店し営業店で伝票処理する必要があり非効率、等の課題がある。

解決策は?

銀行による保険販売業務の保険料振込手続をペーパーレス化するサービスです。本サービス利用によるメリットは以下の通りです。

・振込先相違や金額誤り等の削減による事務の更なる堅確化

タブレット化/ペーパーレス化によるお客様の記入負担軽減

・手戻り防止や業務フローの効率化による営業店/本部事務の省力化

・渉外員のお客様提案やヒアリングにかける活動時間が拡大

システム的には、「統一仕様の振込情報(振込先口座・金額・振込人/契約者名 等)をタブレット端末に連係する仕組み」と「保険料振込のペーパーレス手続機能/勘定系システム等への連携インターフェース」を組み合わせることにより実現しています

効果は?

記入の不備や漏れがなくなった、渉外活動にかける時間が増えた、等の効果が出ています

銀行の帳票に一切記入することなく、保険料振込の手続きをタブレット端末にて完結できるようになるため、すでに現場では「短時間で保険料振込の手続きができるようになった」「記入不備、記入漏れがなくなった」「帰店不要となった為、渉外活動時間が増加した」などの声が上がっている。

今後の課題は?

今後、販売手続きや保険募集キットの完全ペーパーレス化を目指していくとのこと

NTTデータは「銀行保険販売手続の完全ペーパーレス化」「保険募集キットのペーパーレス化」によるSDGsへの貢献ならびに保険業界、銀行業界双方の業務効率化を目指しています。本サービスは上記達成に向けた1ステップであり、引き続き保険業界/銀行業界を”つなぐ”ことで、保険販売業務のデジタル化を加速していく。

まとめ

渉外向けタブレット端末の入力データを、集中センタや勘定系システムに連携することは、既に多くの金融機関で導入されている機能です。しかし、保険会社から統一仕様のデータを連携することで、顧客情報の共有や業務の効率化などの効果が期待できます。

今回のシステムは渉外員の業務効率化につながるものの、顧客の利便性や満足度にどのような影響を与えるのか検証が必要です。

世界的な金利上昇により、米ドルなどの外貨建て保険商品が好調です。しかし、これらの商品は為替変動などのリスクを伴うため、顧客目線でわかりやすく、正しく説明できる機能を銀行員でも使えるように整備すべきと考えられます。

以上