2023年11月9日(木)日本経済新聞より
みずほフィナンシャルグループ(FG)が、人工知能(AI)を使った新興企業向け融資を始めるとのこと
- AIで稼ぐ力を分析・評価
- UPSIDER 事業内容
- 今の課題は何?
- 狙いは何?
- 何を評価するの?
- どう評価するの?
- 銀行のメリットは?
- 振興企業のメリットは?
- 今後の課題は?
- 他の金融機関の動向は?
- ニュースリリース
AIで稼ぐ力を分析・評価
独自の与信モデルを持つ新興のUPSIDER(アップサイダー、東京・港)と月内にもファンドを立ち上げ、担保でなく事業が生み出す収益力を評価する。
最短1週間程度で融資できるようにする。
UPSIDER 事業内容
会社サイトの事業内容を見ると、法人向けのクレジットカードを手掛ける会社のようです。(非上場)
利用限度額や会計処理などの財務課題を解決する法人カード「UPSIDER」を開発、提供。「UPSIDER」は、最大1億円以上の利用限度額(前払い・後払い)や、バーチャルカードの発行・管理機能、会計処理の早期化を助けるSaaS機能等を提供。「UPSIDER」利用企業向け優待プログラム「Boost Your Business」の提供。ビジネスあと払いサービス「支払い.com」の提供。「挑戦者を支える世界的な金融プラットフォームを創る」をミッションに掲げる。
今の課題は何?
これまでの銀行は、担保など保有資産に着目した融資が中心で、赤字のスタートアップへの融資をためらう傾向が強かった
狙いは何?
銀行は、ファンドを通じてリスクマネーの供給を増やす狙いがある
何を評価するの?
資産価値ではなく、事業の「稼ぐ力」を分析することで赤字企業でも成長可能性を判断し融資できるようにする
どう評価するの?
銀行口座の入出金データをもとに、スタートアップ企業の信用力を判断する
銀行のメリットは?
銀行は、従来一カ月前後かかっていた融資判断を最短一週間に短縮できる
振興企業のメリットは?
欧米での金利は3~12%一般的で、今回のみずほとアップサイダーのファンドは3~7%程度を想定しているとのことで、低金利で融資を受けられるメリットがある
今後の課題は?
口座の入出金データをもとにスタートアップ企業の将来性やリスクを判断し、融資額や金利を設定できるのかが、今後の課題となりそうです
なお、みずほ銀行は2019年に、中小企業向けに独自のアルゴリズムを使って審査する「みずほスマートビジネスローン」というサービスを提供していましたが、2023年3月13日 をもってサービスは終了しています
他の金融機関の動向は?
最近の動向として、りそな銀行、あおぞら銀行、静岡銀行、きらぼし銀行などの金融機関のベンチャーデットの動きが紹介されている
SBI銀行は年内に最大1000億円規模の振興向けファンドの運用を始める予定で、三井住友銀行、日本生命保険や大和証券グループが500億円の出資を決定している。取引先企業は150~200社になる見込み
ニュースリリース
UPSIDERとみずほフィナンシャルグループによる合弁事業の開始およびグロースステージのスタートアップ向けデットファンドの設立について(PDF)2023年11月9日
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20231109release_jp.pdf
以上