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【AI】三菱UFJ、中小企業向けネット融資を3倍に増やす計画!AI使い迅速

2024年1月11日(木)日本経済新聞紙面より

三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ)は、ネット上で手続きが完結する中小企業向け融資を2026年度に3倍に増やす計画とのこと

ニュースのポイント

  • AIで口座の入出金の状況や売上の傾向などを分析し、融資の判断を行う
  • 最短で申し込みの翌営業日に入金まで終える。融資額は最大1000万
  • 手続きはネットで完結し、会計ソフト大手とも連携する

これまでの課題は何?

これまで、支店を通じた中小企業向けの融資は縮小してきた経緯がありましたが、フィンテックに強い金融事業者への強い危機感があったようです。

三菱UFJが中小企業向けビジネスを強化する背景には、フィンテックに強い金融事業者の台頭への危機感があった。

店舗網の再編や採算面から大手銀の支店を通じた中小企業向けの融資は縮小してきた。同行は中小の新設企業のうち、口座を自行で開設する割合は5%程度にとどまると試算する。企業数ベースで8割に及ぶ小規模企業との取引が細れば将来の成長企業を逃しかねない。

解決策は?

AIを活用し口座の入出金状況や売り上げの推移の傾向を分析、融資の判断を行うとのこと。

人工知能(AI)やデジタル技術を活用し、これまで手薄だった中小企業との接点を増やす。売上高が30億円未満で営業担当者を配置していない中小企業をを主な対象とする。AIで口座の入出金の状況や売り上げの推移の傾向などを分析し、最短で申し込みの翌営業日に入金まで終える。融資額は最大1000万とする。

効果は?

三菱UFJはデジタル技術を活用すれば成長企業の支援と収益性の確保を両立できると判断したようです。また、会計ソフトの大手と連携し、口座の開設や融資の申し込みを受けることができます。

会計ソフト大手の弥生(東京・千代田)やfreee(フリー)と連携し、企業が設立登記後に早期に法人口座の開設を完了できる仕組みも導入する。両者の企業支援サイト経由で設立時前に申し込みを受け付ける。登記に一定の時間がかかるため、早期にビジネスを始められる利点がある。

今後の課題は?

中小企業向けの融資を増やすのに合わせて、新たに信用保証協会の保証付き融資もネット完結で融資できるようにする。

法人向けカードや関連会社を通じた売掛債権の現金化など複合的なサービス提供を組み合わせれば収益化の余地は大きいとみる。

融資とファクタリングの違い

売掛債権の現金化については、事業向けオンラインファクタリング「SHIKIN+(資金プラス)」というサービスを展開しています。運営会社のBiz Forward(ビズフォワード)は、三菱UFJとマネーフォワードの合弁会社です。

融資が「金銭消費貸借契約」であるのに対し、ファクタリングは「債権譲渡契約」といい売掛金を担保に融資を受けます。貸借対照表上の負債とならない事や、実行までの期間が短い点がメリットとなります。

まとめ

大手銀行がこれまで手薄だった中小企業向けの融資に参入し、AIを活用したスピード審査を推進しています。しかし、電子マネーやクレジットカードの普及により、口座情報だけでは企業の資金繰りや経営状況を正確に把握することが難しいと思うのは私だけでしょうか。

以上