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【AI】GMOあおぞらネット銀行、会計情報でAI融資 ~「弥生」利用企業に

2023年11月14日(火)日本経済新聞より

GMOあおぞらネット銀行が、人工知能(AI)を活用して最短即日で審査結果を通知する融資サービスを始めるとのこと

ニュースのポイント

  • 財務諸表ではなく、「弥生」の会計データを分析して与信判断する
  • 弥生の子会社アルトアが手掛ける、AIを使った会計データの分析システムを利用
  • オンラインで申し込み、即日最短で審査が終わる

会計情報でAI融資

インターネット専業のGMOあおぞらネット銀行は、人工知能(AI)を活用して最短即日で審査結果を通知する融資サービスを始める。弥生(東京・千代田)の会計ソフトを利用する企業が対象で、財務諸表ではなく会計データを分析して与信判断する。

融資額は100万~3000万の範囲で、金利は0.5%~8.5%の固定金利。返済期間は最長3年だ。オンラインで申し込み、即日最短で審査が終わる

アルトア株式会社 事業概要

会社サイトの事業内容を見ると、与信モデル・融資支援サービス(LaaS)の開発・提供サポートを行う会社となっています(非上場)

今の課題は何?

決算書(BS/BL)は過去の一時点におけるサマリであり、情報量が限られるだけでなく、改ざんが容易という課題があった。改ざんを見抜こうとすれば、人手がかかり、また人による判断のバラつきも避けられないという問題があった

狙いは何?

時系列の取引データを分析することにより、豊富な情報量を活かし、より的確な与信判断を可能とする

何を評価するの?

時系列の企業取引データ(トランザクションデータ)を評価する。現在は、会計データのみ対応

どう評価するの?

会計データには取引の日付や売掛金・買掛金などの勘定科目、金額などが含まれる。時系列での資産の推移やキャッシュフローなどを分析・評価する

1年以上の会計データがあることが条件。

銀行のメリットは?

オンラインでの申し込み、最短即日で審査が終わるため、人件費の節約が可能となる

融資を受ける企業のメリットは?

運転資金だけではなく、設備投資にも使える

今後の課題は?

アルトアのサイトでも書かれていますが、会計データは記帳に時間差があったり、改ざんの恐れがあったりするため、他のトランザクションデータを組み合わせるなど、与信エンジンの精度向上が不可欠です

他の金融機関の動向は?

同社の「会計データ与信モデル」は、2021年にりそな銀行へもLaas提供されています。GMOあおぞら銀行での融資実績を受けて、他の金融機関への展開が期待されます

 

以上