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【AI】三菱UFJ銀行、自治体の紙文書を電子化するサービスを開始

2024年1月12日(金)日本経済新聞紙面より

三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ)は、自治体などの紙文書を電子化するサービスを年内に始めるとのこと

ニュースのポイント

  • 三菱UFJ富士フイルムRIPCORD社と連携
  • AI活用でホチキス外しなど自動化、精度とスピードを向上
  • 自治体の行政文書を電子化する案件を受託、他業種への展開も想定

課題は何?

紙文書の電子化は人手と時間がかかり、精度にも課題がありました。

銀行法改正で銀行が本体やグループで担える業務の幅が広がり、大手銀はIT(情報技術)分やなどの事業を広げている。

解決策は?

AIやロボットを使ってホチキスを自動で外して精度を上げる技術を活用します。

富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)と米スタートアップのリップコードの共同出資会社と連携し、人工知能(AI)を使ってホチキスを自動で外して精度を上げる技術を強みにする。

過去の記事をしらべてみると、2020年7月に「3億枚以上ある顧客の書類を全て電子化する」と発表しており、このときのノウハウを活用して他業種に展開するものと見られます。

効果は?

IT化することで、人手より速度もあるほかミスの量も減らせます。

提供するサービスでは電子化のコンサルティングや実行、管理を一括して担う。リップコードのスキャナーを活用し、AIで識別したホチキスをロボットアームで取り除いてページ数や文字情報も付与する。人手より速度もあるほか、ミスの量も減らせるという。三菱UFJ銀は顧客側から手数料を受け取る。

今後の課題は?

収益化の枠組をつくることで、他業種への展開が期待されます。

このほど自治体の行政文書を電子化する案件を受託した。事業化に着手し、近く協業先と収益化の枠組を固める。社内文書の電子化が遅れている中堅企業の利用も想定している。

富士フイルムRIPCORD合同会社

富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)と米スタートアップのリップコードの共同出資会社に「富士フイルムRIPCORD合同会社」があります。

主な事業内容として「紙文書のイメージデータ化およびデータ活用のための自動化やシステム連携を通じたデジタルトランスフォーメーションの支援サービス」とあります。

まとめ

元々は銀行内で取り扱う帳票や本人確認資料の電子化を目的としていたが、銀行法改正により他業種への展開が可能となりました。電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)の施工も追い風となり、今後の展開が期待されます。

以上