金融システム記事まとめ

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【AI】みずほ銀行と富士通、システム開発・保守に生成AIを活用

2023年6月19日 みずほフィナンシャルグループニュースリリースより

少し前ですが、〈みずほ〉と富士通が、システム開発・保守に生成AIを活用する共同実証実験を開始するというニュースについて、気になったのでまとめます

ニュースのポイント

  • 〈みずほ〉と富士通が生成AIを活用する実証実験を開始
  • システムの開発における設計書の記載間違いや漏れを生成AIで自動検出し、開発品質の向上を目指す
  • 生成AIを活用することで改善された設計書から、テスト仕様書を自動生成する技術も共同で開発していく予定

システム開発・保守に生成AIを活用

みずほフィナンシャルグループ富士通は、富士通が有する生成AIの活用を通じて、〈みずほ〉のシステム開発・保守フェーズにおける品質向上やレジリエンス向上を目指す実証実験を、本日から2024年3月31日まで共同で実施します。

課題は何?

AIの領域はあらゆる業種で適用に向けた検討が進む一方で、本番運用までに至らないケースが多く、実システムへのAI導入には未だ課題がある。

この状況を打破するにはAIのビジネス適用に向けた有効性を検証するPoCをスモールスタートで行うことが鍵となる。

何を実現するの?

システムの開発における設計書の記載間違いや漏れを生成AIで自動検出する

〈みずほ〉では、システム開発・保守フェーズにおける品質向上やレジリエンス向上に継続して取り組んでおり、両社は今回、〈みずほ〉のシステムの開発プロセスにおいて、設計書の記載間違いや漏れを生成AIで自動検出し、システム開発の品質を向上させることを目指します。

どう実現するの?

既存の設計書と過去に人手で実施したレビューの記録や観点などを、生成AIのプロンプトに盛り込んでいく

例えば、入力値の範囲の妥当性など複数の観点から、入金機能に関する仕様の抜けや漏れをチェックする。

設計書を評価する際は「LLM(大規模言語モデル)に対し、過去のレビューでの指摘と修正内容を例として与えることで、回答の正確性を高める手法などを検討中」(徳本氏)。解析した結果、「入力値の上限値が設定されていない」といった、設計書の記載漏れの検出を目指す。

生成AIは、ChatGPTのAPIがベース

ベースとなる生成AIは、米Microsoftマイクロソフト)のクラウド型AIサービス「Azure OpenAI Service」を利用する。対話型AI「ChatGPT」の基となるLLMである「GPT-3.5 Turbo」や「GPT-4」を、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で使う。

銀行のメリットは?

〈みずほ〉のシステムのさらなる高品質化と効率化が見込める

富士通のメリットは?

AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi (code name)」のPoCを経て、AI技術の向上とさらなる発展が見込める

今後の予定は?

従来は人間にしかできないと思われていたソースコードの生成やシステムの開発、保守に関連する作業についても生成AIを活用し、結果として品質や復旧性の向上につながるかを検証していく予定

AIによる社会課題やビジネス課題の解決を加速させていき、システム開発の効率化、品質向上、障害が発生した際の迅速な復旧(レジリエンス)力も実現してほしいです

個人的には、AIが指摘した不具合箇所について、AIは合格を出せるのか?(延々と指摘し続けるのではないか)という心配があります。修正後の確認はやっぱり人間?

以上