2023年11月17日(金)日本経済新聞本紙より
北国銀行、勘定系システムに米グーグルのクラウドを新たに導入する、というニュースについてまとめます
ニュースのポイント
北国銀行 勘定系を複数クラウドに
北国銀行は16日、勘定系システムに米グーグルのクラウドを新たに導入すると発表した。同行の基幹システムである勘定系はすでに米マイクロソフトのクラウド上にある。複数のクラウドを組み合わせることで、大規模な障害が起きた際にも30分程度の短時間で復旧できるようにする。
課題は何?
国内で決済インフラのシステム障害が相次いで発生していることも一因。
2023年10月に発生した全銀ネットの大規模障害は現在も原因調査中で、暫定での運用を続けています
狙いは何?
一方のクラウドで障害が発生した場合でも、もう一方のクラウドに切り替えることで、完全な機能停止を回避することができ、大規模な障害が発生した場合でも、30分程度で復旧できる見通しとのこと
北國銀行は、システムの復旧を自力で完結できる体制を整えることで、特定の海外事業者やシステムベンダーに依存しない、より強靭なシステム運用を目指しています。
今後の予定は?
複数のクラウドを組み合わせて同時運用する「マルチクラウド」の勘定系は国内の地域金融機関では初めてとなる。16日までに技術的なめどが立ったことから、早ければ2026年度の稼働を目指す。
これまでも行内でシステム人材を育ててきており、今後も人材育成を強化していくとのこと
地方銀行の勘定系システム
北國銀行は、2021年5月にオープン勘定系システム「BankVision on Azure」を稼働開始しました。これは、地銀で初めてのオープン勘定系システムのクラウド移行となります。
金融庁の調査によると、2021年時点で地銀の勘定系システムにクラウドを導入している割合は1割程度にとどまっています。北國銀行の取り組みは、地銀のオープン勘定系移行を加速させるものと期待されます。
北国銀行 勘定系システム まとめ
地銀のオープン勘定系移行が加速する中、北國銀行は先駆けとして先行しています。地銀初となる複数クラウドへの移行や、障害復旧の迅速化など、先進的な取り組みを進めています。
北國銀行のシステム戦略の経緯をまとめた本がありますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
以上